kintoneガントチャート活用術|構築ステップや標準機能の実装制約を解説

kintone開発の専門家であるAIzen株式会社の視点から断言すると、kintoneのガントチャート活用は「単体アプリで完結させるべきか、プラグインや外部連携に踏み切るべきか」の判断ポイントを見極めることが、マネージャーの工数削減における最大の分岐点です。

標準機能やシンプルなプラグインでも、案件の進捗や期間を直感的に可視化することは十分に可能です。

しかし、データ構造上の特性を理解せずに運用すると、実態と乖離したデータにより現場の「詰まり」を見落とすリスクがあります。
本記事では、現場マネージャーが判断に迷わないためのガントチャート構築と運用の最適解を解説します。

目次

kintoneでガントチャートを導入し進捗を可視化するメリット

現場の「詰まり」を直感的に特定できる

マネージャーにとって、個々のレコード詳細を確認せずとも、一覧画面で「どの案件が滞留しているか」を瞬時に判断できることは大きな利点です。

kintoneにガントチャートを導入することで、日付データが横棒グラフとして視覚化され、前後の工程との重なりやデッドラインまでの余裕が明確になります。

これにより、リソースが過度に集中している期間を特定し、先手のアサイン調整や業務が遅延する前のリカバリー施策が可能になります。

進捗確認のコミュニケーションコストが激減する

従来のリスト形式の管理では、進捗を確認するために「この案件の今の状況は?」と担当者にヒアリングする工数が発生していました。

ガントチャート上でステータスと期間が連動していれば、一目で現状が把握できるため、無駄な会議やチャットのやり取りが削減されます。

現場マネージャーは「異常値が出ている箇所」だけに注力して介入できるようになり、本来の意思決定業務に時間を割くことができます。

納期遵守の意識がチーム全体に浸透する

共有のガントチャートを運用することで、担当者自身も自分のタスクが全体のスケジュールにどう影響するかを意識するようになります。

kintoneの柔軟な通知機能と組み合わせれば、終了日が近づいているタスクを自動でリマインドすることも可能です。これにより、場当たり的な対応ではなく、計画に基づいた自律的なタスク管理がチーム内に定着します。

弊社エンジニアコメント:
ガントチャートを導入したことで、チームメンバー全員が出席する週次定例の工数を週二時間削減できた事例がありました。さらに、目に見えないコミュニケーションコストや確認にかかるコストも削減することができます。

実践:ガントチャートの構築ステップ

ステップ1:入力項目の厳選とルールの統一

ガントチャートを機能させるための最低条件は、データの精度です。「開始日」「終了日」「進捗率」の3項目は必須とし、これらが未入力の場合はレコードを保存できないよう制限をかける、あるいはデフォルト値を設定する工夫が必要です。

現場マネージャーは、入力ルールを徹底させるだけで、データ不備による確認作業という無駄な工数を大幅に削減できます。

ステップ2:ステータスに応じた色分け設定

直感的な把握を助けるために、ガントチャート上のバーをステータス(未着手・進行中・完了・遅延など)に応じて色分けします。

多くのプラグインでは、ドロップダウン項目の値に連動して色を変える設定が可能です。これにより、画面を開いた瞬間に「赤いバー(遅延)」や「黄色いバー(保留)」に目を向けるだけで、管理業務が完結するようになります。

代表的な例として、Crena社のガントチャートプラグインを利用することで、レコードの条件に応じたガントチャートバーの色分けが可能です。

参考事例:https://crena-shop.com/kintone/kintone-gantt

ステップ3:通知機能との連動による自動フォロー

kintoneの「期日前通知」を活用し、ガントチャート上の終了日の3日前などに担当者とマネージャーへ自動通知が飛ぶように設定します。

マネージャーが自らチャートをチェックしに行くのではなく、システム側から異常を知らせる仕組みを構築することで、期限や状態の変化を自動で知らせる管理体制へと移行できます。これにより、進捗確認のために一覧やガントチャートを定期的に確認する必要がなくなります。

通知の設定はkintoneの標準機能で実装可能です。以下のリンクより通知機能の使い方をご確認ください。

kintone 通知の基本を学ぶ|便利に使おうガイドブック

kintone単体アプリによるガントチャート運用の限界

1レコード1期間の構造がもたらす可視化できないケース

kintoneの標準的なガントチャートプラグインや基本機能は、原則として「1レコード=1つの期間(開始日・終了日)」という構造に依存します。

そのため、一つの案件の中に「設計」「開発」「テスト」といった複数のフェーズが存在する場合、単体アプリのガントチャートではこれらをバラバラの期間として可視化することが困難です。

結果として、案件全体の期間は表示できても、その内部で発生している「フェーズごとの遅延」が隠れてしまい、表面上は問題がないように見えてしまう「偽りの正常」が発生します。

表示に使う日付項目を状況に応じて変更できない

多くのガントチャートプラグインは、設定画面で「開始日」と「終了日」として使用するフィールドをあらかじめ固定する必要があります。この仕様により、案件の進捗や状況に応じて「このフェーズではこの日付を表示したい」といった柔軟な切り替えができません。

例えば、一次納期と最終納期のどちらを軸に表示するかを動的に変えられないため、マネージャーは複数のビューを行き来するか、結局は詳細画面を開いて確認するという非効率な作業を強いられます。

アプリをまたぐデータ集約の難易度

業務が複雑化し、案件管理アプリとタスク管理アプリが分かれている場合、単体アプリのガントチャート機能では全体像を俯瞰できません。

フェーズごとに別アプリで管理されている、あるいは日付項目が複数のアプリに散在している場合は、単体アプリ×ガントチャート運用の限界です。

この状態で無理に運用を続けると、実態とズレたチャートに基づいた誤った経営判断やリソース配分を招くリスクが極めて高くなります。

kintoneの標準機能と外部連携を使い分ける判断基準

kintoneのガントチャートは、業務内容によって「単体アプリで十分なケース」と「外部連携や高度なプラグインを検討すべきケース」が明確に分かれます。
まずは、単体アプリで高い対費用効果を発揮できる業務シーンを整理します。

以下の条件に当てはまる場合は、kintoneの単体アプリ(+ガントチャートプラグイン)での運用が適しています。

  • 1レコードで工程が完結する業務
     例:備品貸出管理、単純な承認フロー、イベント設営管理など
  • フェーズ分けが不要なタスク管理
     例:個人のToDo管理、単一アクションで完結する業務
  • マイルストーンが明確な短期プロジェクト
     例:数日で完了し、複雑な依存関係を持たない作業

これらの業務であれば、高度な機能を追加しなくても、標準機能の設定や安価なプラグインで十分な工数削減が期待できます。

一方で、次のような要件が含まれる場合は、単体アプリでのガントチャート運用には限界があります。

  • 1案件に複数の主要フェーズが存在する
     (例:設計・開発・テストなど、3フェーズ以上に分かれる業務)
  • プロジェクトとタスクの親子関係を持つデータ構造が必要
  • 日程変更が他タスクへ連動する必要がある
  • 1つの期間に複数人が複雑に関与するリソース管理が必要

これらのケースでは、WBS対応プラグインやアプリ間連携、あるいはリソース管理に特化したツールの導入を検討すべき判断ポイントとなります。

特に、業務は一見シンプルに見えても、フェーズの重複や手戻りが発生しやすい業務には注意が必要です。1レコード1期間のガントチャートでは実態を正確に把握できないことがあります。

例えば、採用プロセスでは、「書類選考」と「一次面接」が同時並行で進むケースも多く、単体アプリのガントチャートでは進捗の滞留や遅延を見落とすリスクが高まります

このような業務では、単体アプリのガントチャートが「見えているようで見えていない」状態になりやすいため注意が必要です。

まとめ

kintoneのガントチャート活用を成功させ、マネージャーの工数を削減するための要点は以下の3点です。

  • 可視化の目的を絞る: 単体アプリでは「案件ごとの期間把握」に留め、複雑なフェーズ管理は専用ツールを検討する。
  • 判断ポイントを明確にする: 1レコード1期間の限界を理解し、実態とズレが生じる前に管理手法をアップデートする。
  • 入力負荷を下げて自動化する: 通知機能や色分け設定を駆使し、マネージャーが「異常検知」に専念できる環境を作る。

もし、自社の業務プロセスが複雑で、単体アプリでの運用に限界を感じている、あるいはどのようにガントチャートを構築すべきか判断がつかない場合は、プロに相談しませんか?

AIzen株式会社では、数多くのkintone導入支援実績に基づき、貴社の業務に最適な進捗管理システムの構築をサポートします。

内製化を前提とした技術支援から、複雑なカスタマイズまで、現場マネージャーの負担を最小限にするソリューションをご提案可能です。まずは無料相談にて、現在の課題をお聞かせください。

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この記事を書いた人

ITコンサル・SEとして経営層直下での全社横断プロジェクトを多数主導。経営課題を起点としたKPI設計、ROI最適化、プロジェクトガバナンスの構築に精通。単なるシステム導入に留まらず、BIツールを用いた意思決定支援や、属人化を排除するBPR(業務再設計)を通じて、再現性のある事業基盤の構築を得意とする。「経営層のビジョン」を「現場のオペレーション」へと翻訳し、データドリブンな組織変革を支援している。

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